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こだわりのオーダー洗面台

こだわりのオーダー洗面台

こんにちは。「好きなものに囲まれて、生きていく。」- 神戸で住宅と暮らしをデザインするG.CRAFTの水澤です。

 

前回に引き続き、今回も東灘区M様邸のリノベーション事例をご紹介します。

今回は、奥様こだわりの洗面空間について。


リノベーションの中でも、洗面は「毎日使う場所」であり、同時に「空間としての美しさ」も求められる場所です。

そんな洗面空間を、イメージからカタチにした実例をご紹介します。

「こんな感じにしたいんです」から始まった洗面造作

奥様から参考写真を見せていただいたところから始まりました。

 

写真の雰囲気を共有しながら、奥様がどこを気に入っているのか、どんな要素を再現したいのかを丁寧にヒアリングしていきます。

 

たとえば、

  • 丸型の照明付きミラー
  • カウンターに埋め込まれていないボウルタイプの洗面器
  • 真鍮調の水栓金具
  • 背面に貼られた存在感のあるタイル

それらを細かく確認しながら、「いかにイメージに近づけるか」かつ「機能性や施工性を損なわないか」という視点で商品選定と図面作成をスタートさせます。

 

商品選びと図面作成、そして何度も重ねた修正

まず最初に行うのが、イメージに近い商品を探す作業です。

 

奥様のご要望に合致し、国内で流通している製品、かつリノベーション現場で使用可能なサイズ・仕様のものを選定します。
水栓金具、洗面ボウル、タイル、カウンターの素材など、パーツ単位で候補を出し、最終的な組み合わせを調整していきます。

そして、その組み合わせをもとに、図面を描き起こします
今回は特に、寸法・素材の組み合わせ・電気の仕込み位置・タイルの割り付けなどを正確に反映する必要がありましたので、ミリ単位での調整を行いました。

 

図面は一度で完成ではなく、現場の納まりや職人さんからの意見を反映しながら、何度も修正を重ねます。

図面があれば、職人さんたちは「何がどう仕上がるのか」を正確に理解できます。

 

こちらが実際に使用した図面

 

図面が完成後は現場での施工開始

図面が完成したら、現場での施工が始まります。

  • 大工さんがカウンターの下地や壁の補強を行い、洗面器やミラーの納まりに必要なスペースをつくります。
  • 電気屋さんは照明付きミラーのための電源仕込みを行い、スイッチや調光の配線も確認。
  • 水道設備屋さんは、壁出し水栓の配管や、洗面器の排水設置を担当。
  • タイル職人さんは、ミリ単位でのタイル割りに沿って、手作業で一枚一枚正確に貼っていきます。

このどれか一つでも欠けていれば、完成しない繊細な作業です。
全体を把握し、図面通りに仕上げるように統括するのが僕の仕事でもあります。

 

タイルも「貼り方」が大切

今回採用したのは、立体感があり陰影の美しいヘリンボーン調のデザインタイル
これを縦方向に貼るという、あえて難しい選択をしたのは、空間をより縦に広く、洗練された印象に見せるためです。

 

タイルの貼り方ひとつで、仕上がりの印象はガラッと変わります。
だからこそ、貼り方の打ち合わせもタイル職人さんと現場で何度も行いました。

仕上がったとき、タイルとミラー、照明が美しく調和し、まるで雑誌に載っているような空間に。
細かい角度や光の当たり方も計算された、完成度の高い仕上がりになったと思います。

 

 

 

「完璧」と言っていただけた喜び

完成した洗面を見た奥様からは、

「完璧です。予想以上でした!」とありがたいお言葉をいただきました。

 

造作家具の製作は、お客様の「こんな感じがいいんです」のひとことから始まります。

そして空間が、図面となり、素材となり、職人の手によって形となります。

 

この仕事の醍醐味はまさに、仕上がった瞬間に報われることだと、改めて実感しました。