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下地のない壁に強度を持たせる方法

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家づくりお役立ち情報

下地のない壁に強度を持たせる方法

こんにちは!「好きなものに囲まれて、生きていく。」- 神戸で住宅と暮らしをデザインするG.CRAFTの水澤です!

 

最近お客様からよくいただくご相談のひとつに、
「下地のない壁に絵や棚を取り付けたい」というものがあります。

本来、石膏ボードの壁に物を固定する場合は、

  • 大工さんに依頼して壁を開口
  • 下地材を入れて補強
  • ボードを補修
  • さらにクロス仕上げ

という流れになります。

これが一番確実で安全な方法です。

ただ、手間とコストがかかるため、「そこまで大掛かりな工事はちょっと…」と思いますよね。


そんなときに選択肢として出てくるのが 「ボードアンカー」 です。

 

ボードアンカーとは?

石膏ボードの下に下地がない場合でも、アンカーを挿入することでビスを効かせられる便利な金物です。
ホームセンターなどでも手軽に購入でき、棚やフック、軽量の小物取り付けに使われています。

そんな便利グッズですが、メリットとデメリットが存在します。

  • メリット:下地工事をせずに取り付けができる。費用を抑えられる。
  • デメリット:石膏ボードそのものに強度を頼るため、重いものには不向き。経年で抜ける可能性もある。

そのため、実際の工事ではお客様にメリット・デメリットを説明し、ご了承をいただいた上で使用することにしています。

 

今回3種類のボードアンカーを比較してみました

「実際どのボードアンカーが良いのか?」という疑問があったので、代表的な3種類を用意して試してみました!

写真左からA・B・C

沢山種類はありますが、ホームセンターでもよく見かける代表的なタイプ3選です。

 

 

 

施工手順

まずはパッケージに記載されている通り、下穴を開けてアンカーを挿入。
その後、ビスをねじ込んで固定します。

 

写真左からA・B・C

 

表からの図

 

裏からみた図

 

それぞれ以下のような特徴があります。

  • Aタイプ:ビスを締め込むとアンカーが開いて潰れるように広がり、ボードをしっかり挟み込む。
  • Bタイプ:ビスを締め込むとアンカーが潰れるように変形して広がる。少し「供回り」する感覚あり。
  • Cタイプ:ビスを締め込むとドリル状の先端が開いて、ボードを挟み込む。

引き抜きテスト

施工後、実際にどれくらい効いているかを確認するため、バールで引き抜きテストを行いました。

 

 

  • Aタイプ:アンカーごと抜けた。
  • Bタイプ:ビスだけが抜けた。
  • Cタイプ:アンカーごと抜けた。

引き抜きの強さはAとCがおおよそ同じくらいでした。

僕の評価(主観です)

今回の3種類で試した限りでは、僕自身が使うなら Aタイプを選びます。
次点でCタイプ。

理由としては、Aタイプが最もしっかり効いている感覚があり、施工後の安心感もありました。
Cタイプも悪くはないですが、やや軽めの印象です。
Bタイプはどうしても供回りしてしまう感じが強く、僕としては優先度が下がります。


使用環境や取り付ける物の重さによって適切な選択肢は変わります。

 

注意点

最後に大切なことを。
石膏ボードに直接ボードアンカーを使う場合は、あくまで補助的な固定方法であり、重い棚や頻繁に荷重がかかる物には不向きです。

重さに耐えられずに抜けてしまうと大きな穴が開いてしまいます・・。

もし本格的な棚や重量物を取り付けたい場合は、必ず下地工事を行うことをおすすめします。

 

まとめ

  • ボードアンカーは手軽で便利な反面、限界がある
  • 今回試した中では「Aタイプ」が一番安心感があった
  • 取り付けたい物の重さや用途に応じて使い分けることが大切
  • 安全性を優先するなら下地工事がベスト

👉 これから壁に何かを取り付けたいと考えている方にとって、参考になれば嬉しいです。
ただし繰り返しになりますが、ボードアンカーは重いものには耐えられないので、耐荷重を考慮した上で検討をオススメします。